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本日は、パーキンソンの法則についての考察となります。
この法則は、人間は時間やお金を、あったらあった分だけ使ってしまうというもので、一見、法則と言いながらもあまり凄いことを言っているようには感じません。
ただこの考え方自体は、後に紹介します第一法則は仕事の事例として、そして第二法則は資産形成の事例として、現代でも様々に用いられております。
ここでは、このパーキンソンの法則自体について、さらにはその法則の資産形成における対応策について紹介していきたいと思います。
①パーキンソンの法則とは?
パーキンソンの法則とは、1958年にイギリスの歴史学者で政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則である。
第一法則⇨仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則⇨支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
第一法則では、パーキンソン氏が当時のイギリスで、役人の数が毎年増え続けていることに着目し、人数が増えたことにより一人あたりの仕事量が減ったとしても、個々人の労働時間の減少が見られない点を指摘し、人は与えられた時間を目一杯使ってしまうものだと言っている。
第二法則では、イギリスの税金が毎年増額されているにもかかわらず、毎年律儀に予算財源を全て使い切ってしまい、更に税金の負担が増えていくという悪循環な財政状況に着目した法則である。わかりやすくいうと、人はあればあるだけお金を使ってしまうものだという法則である。
上述のように、法則を第一・第二と区切ってはいるが、パーキンソン氏によると、人は意識しなければ時間も金もあったらあった分だけ浪費してしまう傾向にあるということを言っている。
実はこの法則は、現代でもよく悪しき例として活用されている。第一法則は仕事面で、第二法則は資産形成面で頻繁に語られており、これらをいかに回避するかという視点での記事やレポートが目立っている。
第一法則と仕事事例:
🔹いつも会議は予定時間いっぱいまでダラダラ続けてしまう
🔹報告書、議事録などはいつもギリギリまで提出しない
🔹ダラダラ無駄な残業時間が多い
第二法則と貯蓄事例:
🔹給料やボーナスが増えているのに預貯金できていない
🔹給料日前はいつもすっからかんで苦しい
これらの法則は、仕事でも貯蓄でも、時間やお金を自然と浪費してしまっていることへの指摘と言える。つまりいかにこの状態を打破するかという対応策が重要で、多くのネット上の記事やレポートでも様々に紹介されている。
②同法則への異端児リーマンの対応策
このパーキンソンの第二法則は、社会人一年目から結婚まで、一部の給与天引き分を除き長きにわたり給与=小遣いであり、結婚時に預貯金がほとんど無かったポンコツな若手時代を過ごしてきた異端児リーマンには耳が痛くもあり、また非常によく理解もできる法則と言える。
ただ、そんな私も結婚し、守るべき家庭を持ち、そして海外駐在をきっかけとしてプチ アーリーリタイア(定年前の少しの早退)を企画してからは、自覚と責任感が芽生え?この法則からは完全に脱していると言える。
パーキンソンの第二法則対策、即ち無意識のうちの支出の膨大化を防ぐために具体的に取り組んできたのは、以下のような点である。
🔳支出の見える化=予算化
毎月の支出のうち、食費や光熱費、娯楽費や小遣いなどの変動費は一定額を予算として設定して運用している。ついつい緩みがちな食費部分は毎月一定額を伴侶に渡す形で運用してもらい、外食費も含めて支出を固定化している。食費については余剰分が出た場合も外食などで使いきることにしており、基本的な部分であるが、人生を予算の範囲内で最大限楽しむ癖をつけている形ともいえよう。
※海外駐在中は会社負担となる光熱費など不要な設定も多く、予算化が必要なのは食費と娯楽費くらいとなる。(学習塾、習い事や学費などの教育関連費は敢えて予算化して限定していない。)
🔳目的別銀行口座による運用
パーキンソンの法則への対応というだけでなく、ペイオフ対策としてでもあったが、各種引き落とし、生活費、預金専用など目的別に銀行口座を複数に分けて預金管理を行なっている。これにより手をつけない預金専用口座が担保され、結果、支出の見える化同様に無意識の出費を防ぐことができることにもつながっている。
↓以前の記事「異端児リーマンの預貯金管理」
hereticsalaryman.hatenablog.com
🔳給与天引きによる資産形成
実際給与から天引きされる形が、最も効果的且つ強制的なパーキンソンの法則対策と言えるのかもしれないが、財形貯蓄や持株会、養老保険などを含め、給与天引きを利用することで、物理的に使えるキャッシュ自体を減らすという方法がある。海外駐在員である現在も、上限いっぱいまで申し込んでいる持株会は給与天引きであり、この分は非居住者であっても確実に形成できる金融資産となっている。
以前、基本的な資産形成コンセプトとして、年収が上がると共に当然のように上げてきた生活レベルを、ある収入レベルのところで止めて、以降の年収上昇分は全て資産形成に回すという考え方を記載したことがあるが、こちらも広い意味ではパーキンソンの第二法則への対応と言えよう。
具体的には、(世帯)年収500万円の人が、年収800万円までは比例的に生活レベルを上げ続けるが、それ以降はいくら年収が上がっても年収800万円の生活レベルを維持し、残り全てを資産形成に回すという考え方である。
実際に異端児リーマンも教育関連費以外の変動費支出(主には食費や娯楽費、夫婦の小遣いなど)の予算設定については、ある年収までで固定化し、資産形成を進めてきている。
↓以前の記事「資産形成のための家計管理」
hereticsalaryman.hatenablog.com
とにかく無意識の出費を減らしていくこと、毎月何にどれだけお金がかかっているのかを正しく把握しコントロールすることが、アーリーリタイアを目指す上で重要なアイテムの一つといえよう。
引き続き、人生を楽しみながら第二の人生へ向けた資産形成も抜かりなく進めていきたい。
▼Success is doing, not wishing.▼
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