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本日は、退職金の制度や税制、受け取り方法についての事前確認事項のご紹介となります。
①退職金について
退職金とは、退職した労働者に支払われる金銭のことで、退職手当や退職慰労金とも呼ばれるものであり、退職金が支給される制度のことを退職給付制度や退職金制度という。
退職金は、定年時だけでなく、自己都合退職、会社都合退職、死亡退職等においても支給されるが、懲戒解雇された場合には支払われないケースが一般的である。
日本では、退職給付制度自体は法制度化されているものではなく、企業側が就業規則等で独自に要件や支給方法、金額計算等を定めている。厚生労働省の2018年調査によると、退職給付制度を導入している企業の割合は80.5%ということであった。
次に退職金の相場についても調べてみたが、こちらも厚生労働省の2018年調査によると、勤続35年以上の定年退職者の退職金相場は、
◆大卒で1,997万円
という金額が出ていた。
他にも、いろいろなWebサイトに退職金相場の情報が出ていたが、
例えば、企業規模別で、
◆従業員1,000人以上の会社の定年退職で2,233万円
◆100名以下の企業で1,407万円
というものや、(大企業における)採用区分により、
◆総合職の定年退職で2,695万円
◆一般職で1,520万円
という情報など、多岐にわたっていた。
退職金については、実際に退職後の老後資金の足しにしたり、住宅ローンの一括返済に活用したりと、異端児リーマンを含め、既に重要な戦力の一部として考えている方も多いであろう。
では、次に退職金の受け取り方法について見ていく。
②退職金の受け取り方法
一般的な退職金の受け取りについては、
A)一時金として全額受け取る
B)年金として一定期間に配分して受け取る
C)一時金と年金を組み合わせて受け取る ※企業により制度有無あり
等に分けられるが、人それぞれ考え方や置かれている状況により選択肢が異なってくることになる。
A)一時金として全額受け取る
退職金を一時金で受け取る場合、通常の給与所得等とは違った税制(分離課税)となる。これはある意味、優遇措置であり、他にも、
◆勤続年数毎に所得控除(課税対象から差し引ける金額)
が設定されていたり、
◆課税対象額の1/2課税(課税所得を半分にできる)
となっていたり、特別な税制が設定されている。
因みに、一時金受け取りの退職金にも所得税と地方税が課税される。
ごくごく大雑把にではあるが、退職金を一時金で受け取る場合の税金の計算方法を記載しておく。
※退職金を一時金として受け取る場合は、所得税は源泉徴収、住民税は特別徴収といって会社側が計算し納税されるため、原則本人が確定申告して納税するという必要はない。
(再就職等による還付請求の確定申告は本人による実施となる)
課税対象となる退職金額=(退職金総額ー所得控除額)x 1/2
この内、所得控除額というものは、勤続年数により計算方法が設定されており、
20年以下: 40万円 X 勤続年数 ※80万円未満は80万円
20年超過: 800万円+70万円 X (勤続年数ー20年)
にて算出できる。
参考例であるが、勤続年数37年の定年退職者の所得控除額は、
800万円+70万円 X (37年ー20年)=1,990万円
となり、退職金の金額がこの金額以下であれば、税金は0となる。
A)所得税計算
実際、この課税対象となる退職金額によって、所得税率が5%〜45%設定されている。
(厳密に言うと、最終税額はこの所得税率%を乗じた後、それぞれに設定されている控除額を引いたものに102.1%を乗じる形となる。)
こちらも参考例となるが、上記課税対象となる退職金額が500万円の場合、税率は20%、控除額が42万7500円となるのであるが、こちらを式として表すと、
(500万円×20%-42万7,500円)×102.1%
=58万4,522円(実際の所得税納税額)
B)住民税計算
住民税は、この課税対象となる退職金額の10%となるが、上記課税対象となる退職金額が500万円の場合、
500万円x10%
=50万円(実際の住民税納税額)
となる。※詳細は国税庁HP「退職金と税」を参照願う。
B)年金として一定期間に配分して受け取る
一方で、年金で受け取る場合は、雑所得となり、他の所得と合計して課税されることになる。
具体的には、国民年金や厚生年金等の公的年金と合算して(控除額を超えた金額が)課税されるため、年間に受け取る年金額が多くなると、所得税、住民税、社会保険料の負担が増えることになる。
ただ、年金として受け取る場合は、受け取りまでの間、運用益を享受できるケースも多い。
C)一時金と年金を組み合わせて受け取る
導入しているかは企業にもよるが、一時金と年金を組み合わせて受け取る場合というのも一般的である。
例えば、半分を一時金として、残りの半分を年金として受け取るというケースや、一時金の所得控除額分を一時金として受け取り、残りを年金とするケース等、色々であるが、退職時に必要な金額の有無含め、状況に応じてこの方法を選択している人も多いと聞く。
以上のように退職金の受け取りには大きく3つのバリエーションがあることを理解した。
勤続何年でいくらの退職金、更に年金がいくらなら最も税額が低いのか?というシミュレーションも面白そうであるが、まだ先は長いのでその詳細計算は別途行うことにする。
③現時点での異端児リーマンの選択
細かなシミュレーションができていない状況ではあるが、いま時点、プチ アーリーリタイア実現時の想定退職金は、一時金としての税額が小さいこと、リタイア後は不動産所得が発生すること、
また、急な出費に備える意味もあり、一時金で全額受け取ることを想定している。
(以前の記事「2020年9月時点保有資産」の通り、現在は通常退職金のみ受領する前提で早退を企画している。)
↓以前の記事「2020年9月時点保有資産」
hereticsalaryman.hatenablog.com
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