異端児リーマンの記録

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海外駐在4ヶ国目、駐在員継続によるプチ アーリーリタイアを夢見る40代中年奮闘記

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【駐在関連28】海外赴任初期の資金確保方法

お越しいただきありがとうございます。

 

本日は、海外赴任初期の生活資金の確保方法についてのお話です。


会社によっても違いがありますが、私の属している会社の場合、赴任してから現地の給与口座を開設することになり、赴任初月や、長ければ翌月末の給与振り込みタイミングまで会社から生活資金が入ってこないという状況に陥ります。


こちらも会社によりますが、赴任国によっては家族帯同の場合の学校の費用は個人で立て替える形となり、入学金含めて初期に大金が必要となります。
(「国によって」と記載したのは、別の国では会社が学校と契約する形で、会社からの支払いをしている赴任国などもあるからです。あくまで私の属している会社の事例としてですが。)


ここでは、異端児リーマンのこれまでの経験から、どういう形で現地の初期の生活費や必要な費用を工面してきたのかという点について、ご紹介させていただきたいと思います。※あくまで一例である点ご了承願います。

 


①赴任初期の資金(現地通貨)調達方法


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以下、私自身が活用している資金調達方法についてまとめていく。

 

a)現金を持参する

最もオーソドックスな方法であるが、赴任時に現金を持参する方法である。現地の空港やホテル、街の両替ショップなどで現地通貨に換金する形となる。
本点で事前に確認しておきたい留意点は、以下となる。

 

持ち込み限度額:
国毎に一人あたりの現金持ち込み限度額が設定されているケースもある。10,000USD以上は申告が必要というような国も多いが、ある金額以上は持ち込み禁止というルールがある国もあるため注意したい。
更に日本を出国する際にも、100万円を超える現金等を持ち出す場合は税関申告が必要となる。

7305 現金等の持出し(持込み)(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

 

持ち込み通貨:
アジアの国によっては、日本円の両替に対応していない、又はレートが低く設定されてしまっている国もある。私が過去赴任した国でも、日本円の両替が限定的であったところもあり、USD、しかもきれいな100ドル紙幣、50ドル紙幣しか受け付けないというような不自由も体験している。
※ある換金所では、50ドル未満の紙幣もきれいな紙幣であれば換金できたが、レートが低く設定されていた。

いずれにしても、途上国では、いまだに自国通貨以上にUSD(米ドル)を重宝しているような国もあるため、赴任前にその国の通貨運用状況は確認しておく必要がある。

USDが必要となる場合は、日本で換金していくとレートが著しく悪いため、現金持参よりは後述する別の方法での調達が有効的となる。
異端児リーマンは、これまでの駐在でUSD紙幣を一定量だけ保有しており、現金として持ち歩いているが、実際の現地通貨確保は後述の方法で実施し、こちらは万が一に備える資金としてきた。
ただ多額の現金を途上国に持ち込む場合は、安全面や精神衛生面での負担も出てくるため、注意が必要である。

 

b)前任者がいる場合、その人から現地通貨を購入する

前任者がいるようなケースでは、この方法は双方ハッピーとなるケースが多いのであるが、現地通貨を使い切れていない状況の場合に、その通貨を後任が買い取り、前任者の日本の銀行へ換金分の日本円を振り込む形となる。
ある程度の期間をもって帰任の内示が出る場合でも、使いきれなかった現地通貨を持て余している駐在員も多い。
過去の経験でも、飲み会の席上で優遇レートでの換金オークションが開催されていたケースにも遭遇している。途上国で、USDから現地通貨への換金は一般的であっても、その逆はレートが悪かったり、手続きが浸透していなかったりというケースも珍しくない。
いずれにしても、前任者がいる場合は、早めに相談してみることで、お互いWIN-WINの関係を構築できるかもしれない。

 

c)クレジットカードによるキャッシング

これもかなり一般的と言える現地通貨調達方法であるが、VISAやJCBなど国際ブランドのクレジットカードであれば、大抵の現地銀行のATMでのキャッシングは可能である。
難点は、キャッシングの金利が高いということであるが、街の両替ショップでぼったくられたなどという話をよく聞くような国では、安全かつ確実に現金確保できる手段として有効である。
両替ショップなどで手数料を払うことを考えると換金レート的にそれほど悪くないというようなケースも多い。
細かく見ていくと、クレジットカードによるキャッシングでは
◆日本側海外ATM利用料
◆キャッシング利息
◆現地側銀行手数料
がかかる。

上述の通り、クレジットカードによるキャッシングの場合、現地銀行ATM側でも手数料を取るケースが一般的である。こちらも銀行によって設定がまちまちというようなケースも多いので、注意したほうが良さそうだ。
更にキャッシング利息の計算は複雑で、借りたタイミング等で、返済日の違いにより利息に差が出てくる。
利息設定自体も、一部カードでは違いがあるようで、事前に確認しておきたい。

(実質年率で18%というのはよく目にする利息である。ただしこれは年率のため、実際に借り入れの期間分のみにかかる利率となる。例えば、最長のケースとして、月初に借り入れ、決済日が26日である場合は2.76%となる。)

 

あと、経験上もう一点の注意点であるが、それはクレジットカード側での海外キャッシングの限度額設定である。実際にキャッシングしたいタイミングで上限に達してしまっていて、必要額が下ろせなかったという過去の実体験からも、できれば出国前にキャッシング限度額の確認と変更をおすすめする。


実際にとある国で、日本人学校の入学金とインターナショナルの半期の授業料と入学金が重なった際の現金調達に際して、2枚のクレジットカードを駆使してキャッシングする機会があったのであるが、一枚のカードは上限設定を確認、変更できておらず、確か5万円ほどしか下ろすことができずにその場では戦力にならなかったという苦い思い出がある。

※その後限度額変更済。


d)デビットカードによるキャッシング

デビットカードとはクレジットカードと違い、使用すると、即時で口座から引き落としとなるカードである。クレジットカードは後払いであり、更に分割払いやリボ払いも活用できるが、デビットカードにはその機能はない。キャッシュレス機能としてのカードであり、限度額は原則預金額までとなるので、使いすぎる心配もない。

 

海外でのキャッシングについてもクレジットカードとはコンセプトが異なる。デビットカードは預金口座の出金という扱いであるのに対し、クレジットカードは借り入れという扱いとなる。
一言でいうと、クレジットカードキャッシングに比べて安価に、(または安くなくても安定した手数料で)外貨を引き出すことができるケースが多いカードと言えよう。


一般的なデビットカードでの海外キャッシングの場合、
◆日本側海外ATM手数料
◆事務手数料(1.6%-3.0%程度が主流)
◆現地銀行手数料
がかかる。


デビットカードによる海外キャッシングが安価であることが多いと記載した理由は、デビットカードで言うところの日本側海外ATM手数料+事務手数料がクレジットカードで言うところの日本側海外ATM手数料+キャッシング利息に比べて安価であるケースが多いからだ。
実際、異端児リーマンは日本のデビットカードではなく、前回赴任していた国(現在も兼務扱い)のデビットカードと銀行預金が結構な金額残っているため、このカードを駆使した現金調達を継続している。

※手数料の合計は実績値として〜2%と安価である。


その他の方法等:
→外貨引き出し対応としてデビットカードと似た機能として、日本の銀行カードによる海外での外貨引き出しも存在している。

ただ、私も口座保有している新生銀行では2018年に海外ATM引き出しサービスは終了しており、現在は、プリペイドGAICAというサービスとなっているようである。

あくまで私の活用したことがある方法の紹介のため、日本で外貨預金している銀行口座における外貨の海外での引き出し等の詳細は、ここでは触れていない。この点は各銀行のサービス内容を確認願う。

 

→更に上記の他、一昔前はトラベラーズチェックという小切手のようなものがあったが、現在はクレジットカードやデビットカードが取って代わったこともあり、販売を終了しているようである。

 


②それぞれの方法での有用性評価


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あくまで主観的な結論であるが、私の活用している前出現金調達方法での有用性は、アジアの途上国赴任を前提とするのであれば、

 

デビットカードキャッシング > クレジットカードキャッシング > 現金持ち込みの都度両替 
※前任者からの両替は、必要額の確保という点では不透明すぎるため除外しているが、実勢レート以下での換金が可能なため、コスト面では一番おすすめではある。


という順となる。
色々な見方があるので一概には言えないが、やはり多額の現金を途上国で持ち歩く、または持ち込むのは安全面からも精神衛生面からもおすすめできない。
あとはキャッシングコスト面での優劣となるが、当然デビットカードによるキャッシングがおすすめとなる。
デビットカードでもいろいろな種類があり、事務手数料が低く設定されているものや、日本側海外ATM手数料を無料としているものもあるようで、気になる方は深堀りされることをお薦めする。

 

 

 

 

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本日もありがとうございました。