異端児リーマンの記録

異端児リーマンの記録

海外駐在4ヶ国目、駐在員継続によるプチ アーリーリタイアを夢見る40代中年奮闘記

MENU

【早退関連86】上場企業による自社株買いとは?

お越しいただきありがとうございます。


本日は、自社株買いについての話題です。

証券取引所に上場している企業が、決算発表時などに合わせて発表したりすることも多い「自社株買い」という言葉、最近特に耳にする機会も多いかと思います。

 

ここではまず、自社株買いそのものについて簡単にまとめた上で、自社株買いの具体的な影響について詳しく見ていきたいと思います。

 

 

 ①自社株買いとは?

f:id:HereticSalaryman:20230212003708j:image
自社株買いとは、上場企業が自ら発行した株を自らの資金を使って、株式市場から買い戻すことをいう。
株式会社では資金調達のために株式を発行し、市場へ流通させる。投資家がこの株式を買うことで、会社は資金を得ることができ事業運営を拡大させていく。つまり、この自社株買いは、その流れと反対の事を行っていることになる。


因みに、2022年は上場企業の自社株買いが活発化しているようで、その実施額は2002年以降で最大規模となったようである。

 

では続いて、この自社株買いの影響や効果について詳しく掘り下げていく。

 

 

 ②自社株買いの影響・効果


自社株買いには、当然様々なメリットとデメリットがある。

※以下、企業にとって、又株主にとって双方のメリットを区別せず羅列していく。


メリット:

○投資家・市場へのアピールになる=株価上昇につながる
自社株買いは一般的に株価上昇につながる可能性が高い。(発行済株式総数が減ることになり1株当たりの価値が高まる点や、後述するROEが向上することにより株の評価が上がる。)

更に、自社株買いは市場へのメッセージとして、企業側が現在の株価が低いと考えていることを示すことにもつながっていく。企業側の自信の現れでもあり、将来への更なる期待値としての株価の上昇も期待できる場合もある。

 

敵対的買収を防ぐ対策になる
敵対的買収とは、ターゲットとする企業の株式の過半数を取得し、強制的に経営権を奪う手法であるが、自社株買いをすることで市場に流通する株式数が少なくなるため、外部から買い占められる可能性が低くなり、これ自体が対抗策となりうる。


ROEが向上する
ROE(Return on Equity = 自己資本利益率)とは、会社の資本に対して、どれだけ利益を上げたのかを表す指標である。ROEが高ければ自己資本に対して効率的に収益を上げていることになるのであるが、自社株買いを行うと自己資本(計算式でいう分母)が少なくなるため、ROEが向上し株主から集めた資金を効果的に使えているという判断にもつながる。

 

ROE計算方法:

当期純利益自己資本(株主が出資した資金など返済する必要のない資産)×100%

 

○配当金が節約できる
市場に流通している株式が少なくなることで、配当金を節約できる。短期的には自社株買いで一時的に負担が大きくなるが、長い目で見ると、自社株買いをした分の配当は不要となる為、配当金の節約につながるケースも出てくる。

 

デメリット:
△資金繰りが悪化する
自社株買いは一気にある程度の規模の買い付けを実施する形となるため、購入資金として企業はまとまった金額の準備が必要となる。

通常は利益が潤沢に出ている状況下で実施されるが、例えば製造業であればその利益剰余金を活用して新たな設備投資をしたりという選択肢もある中、あえて発行済みの株式を自社で買い取る形となるため、資金の自由度が減ることにもつながる。

アメリカなどではでは、株価引き上げ、株主還元のために借金してまでも自社株買いをするというケースもあるようで、そうなると資金繰りは大幅に悪化していくことになる。

 

△株価が一時的に乱高下するケースが出てくる

メリットの項目で株価が上昇する事を記載したが、その後投資家が利益確定のために多数売却するようなケースでは株価は急降下することも珍しくない。

自社株買いはそれだけ株価に敏感な事象なのだといえよう。

 

 

③最後に

 

資産形成の3つの要素:
◻︎収入のアップ=海外駐在による手当
◻︎支出の減少=駐在員ベネフィット(家賃、医療費、学費、通信費等の会社負担)による生活費減
◻︎投資活動=持ち家の貸し出しによる賃貸収入や持株会制度の活用

 

これら全てにより、加速型でのプチ アーリーリタイアの為の資産形成をすすめている海外在住者の異端児リーマンも、この自社株買いは他人事ではない。

 

実は私の属する会社もこれまで度々自社株買いを実施しているのであるが、その都度株価は一時急騰している。

このように自社株買いを実施した度に、株高により:

✖️上限まで設定して毎月定額で購入している自社株の購入数が減ってしまうという痛手

◎これまでに取得した株の評価額の急上昇というハッピー

の両方に見舞われ、やや複雑な心境になることもあった。

(毎月一定金額を拠出して購入するドルコスト平均法もあり、短期的な株価急騰については実際の自社株資産へのダメージは軽微であり、相対的にメリットが勝るものである。)

 

ただはっきりと言えることは、将来(海外駐在からの本帰国の後)、金融資産をバランスさせるために自社株を売却するような局面で、大幅な自社株買いをしてくれるということがグッドシナリオになるということだ。極端な話をすると、それまでは自社株買いも行わず、株価は出遅れや控えめでも構わない。

(=自社株を売却するベストなタイミングを見極めていかねばならない。)

 

海外駐在期間中は、自身が所属する会社の株、そして凍結して保有している株のみの注視であるが、帰任後は幅広い銘柄での自社株買いについて調査や予想をしてみたいとも考えている。

 

 

 

 

 

 

▼Success is doing, not wishing.▼
本日もありがとうございました。