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本日は、野村総合研究所(野村総研)が発表した2021年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計についての話題となります。
結論から申し上げますと、継続的な集計を開始した2005年以降で富裕層、超富裕層の世帯数は最多で且つ、2013年以降は増加し続けております。
バブル崩壊後に30年以上変わっていない日本の平均年収という実情や、直近では新型コロナによる収入減などもあり、純金融資産が増える要素がないと感じる方も多いかもしれません。
ここでは、まず富裕層の定義を再掲載した上で、今年3月に発表された野村総研の報告内容とその考察をしていきたいと思います。
①富裕層とは?(おさらい)
お金持ちの定義として最も一般的と言われている野村総研のレポートでは、純金融資産の保有額によって以下のような分類を使用している。
【純金融資産分類】
◆超富裕層 :5億円以上
◆富裕層 :1億円以上
◆準富裕層 :5,000万円以上1億円未満
◆アッパーマス層:3,000万円以上5,000万円未満
◆マス層 :3,000万円未満
上記の内、どこからお金持ちと呼ぶのか?という意見は分かれるのかもしれないが、ここでは基本的に富裕層と定義されている1億円以上の純金融資産を保有する人のことをお金持ちと表現するようにしている。
因みに、純金融資産とは不動産(持ち家や投資用不動産)価値を含めず、現金預貯金や株式、投資信託などの金融資産に限定され、更に「純」ということで、住宅ローンなど負債がある場合は、その金額を保有金融資産から引いた資産価値で表したものとなる。
※例えば1,000万円の銀行預金と500万円の株式投資があっても、持ち家のローンが1,000万円残っている場合は、純金融資産は500万円ということになる。
では、ここからはこのお金持ちが増え続けているというレポートの詳細を見ていこう。
②富裕層が増え続けている状況
野村総研による2021年度の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計報告によると、
〈2021年の純金融資産別世帯数〉
❐超富裕層(5億円以上) 9.0万世帯
❐富裕層(1億〜5億円) 139.5万世帯
❐準富裕層(5千万〜1億円) 325.4万世帯
❐アッパーマス層(3千万〜5千万円)726.3万世帯
❐マス層(3千万円未満) 4,213.2万世帯
となっている。富裕層以上で148.5万世帯いることになる。
そしてそれぞれの区分での割合については、
〈2021年の純金融資産別割合〉
❐超富裕層 0.16%
❐富裕層 2.5%
❐準富裕層 6.0%
❐アッパーマス層 13.4%
❐マス層 77.8%
となっており、富裕層以上のお金持ちは全体の約2.7%となる。(単純計算で日本では100人に3人弱が純金融資産で1億円以上保有しているということになる。)
そして、野村総研によると、この数字は継続的調査を開始した2005年以降最多で、2013年以降は一貫して増加し続けているとのことであった。
尚、2005年のお金持ち(富裕層+超富裕層)は86.5万世帯となっており、2021年の148.5万世帯というのが大幅に増加していることが見てとれる。また今回発表データの1つ前となる2019年のお金持ちは132.7万世帯となっており、この2年で比較しても、15.8万世帯も増加していることになる。
では次に、一体なぜこれほどまでにお金持ちが増えているのか?という点について考察していきたい。
③富裕層、超富裕層が増え続けている要因
富裕層、超富裕層が増加した主たる要因として、
・アベノミクスによる株価上昇
・企業業績の安定や成長による役員報酬の増大
・富裕層、超富裕層の団塊の世代からの複数人への相続(分散)
などの点が挙がっている。
具体的な数値データとして、上記の株価について例を挙げると、2005年と2021年の日経平均株価でみても、実に2.5倍以上の上昇となっている。
〈日経平均株価終値〉
2005年5月20日 11,037.29円
↓
2021年5月20日 28,098.25円
これはあくまで日経平均株価動向ではあるが、仮に4,000万円を2005年に投資していた場合、16年後にその価値は単純計算で1億円(+配当金)にまで上昇していることになる。 ※あくまで長期保有による単純比較として。
物価があまり高騰していない中で株価が伸長しているということは、企業の業績が好調だということでもあり、結果役員報酬も増えることにも繋がっているようだ。
そうして投資や報酬で増えた資産を、他界後に複数の子供たちに相続することで、新たな富裕層・超富裕層が誕生する、そういう形なのであろう。
このように余裕資金があり、長く投資活動をしていた世帯は、その資産価値を更に増大させてこられたとも言えよう。
大多数とも言えるマス層の世帯の中には、マイホームのローンを抱えていたり教育費負担が重かったりと、子育て世代を中心になかなか投資に回せる余裕資金を捻出できない世帯も多いであろう。
ただ、もし金融資産を銀行預金だけに限定しいるような場合は、NISAなども活用し少額からでも投資活動をしていくことで、前出のような良い循環に乗っかることもできそうである。
言わずもがな、元本が保証されていない投資は自己責任であり、過度にリスクテイクすることで既存の生活を維持できなくなる危険性も否定できない。
あくまで余裕がある資金からの前提ではあるが、私も引き続き経済自立・自由を手にするその時まで、(海外駐在期間中のため、現在は自社株の持ち株会メインではあるが)投資活動も継続していきたいと考えている。
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