異端児リーマンの記録

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海外駐在4ヶ国目、駐在員継続によるプチ アーリーリタイアを夢見る40代中年奮闘記

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【早退関連87】熟年離婚と下流老人

お越しいただきありがとうございます。


本日は、23年2月にテレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』の特集で取り上げられ、一時期話題となっていた、熟年離婚下流老人について触れていきたいと思います。

 

一言で表すと、熟年離婚をした後に生活困窮状態に陥る下流老人が増えてきているという内容なのですが、SNSで「熟年離婚」「下流老人」がトレンド入りし、特集そのものに対しても、様々な否定的な意見が展開されていくような事態になったようです。

 

ここからは、熟年離婚下流老人それぞれを少し掘り下げた上で、アーリーリタイア後の熟年離婚の影響について見ていきたいと思います。

 


熟年離婚について

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熟年離婚とは、20年以上同居した夫婦が離婚することを指す言葉である。
厚生労働省が集計したデータによると、2020年に離婚した夫婦のうち、21.5%が熟年離婚とのことである。1990年が13.9%とのことで、大幅に増えている状況が見てとれる。
※因みに離婚全体数自体は2002年をピークに減少傾向とのことであった。

 

この熟年離婚が増加傾向にある要因としては、以下の点が挙げられる。


離婚時の年金分割制度の普及(2008〜)

年金分割制度とは、離婚した場合に婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金・共済年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度である。

この制度のおかげで、専業主婦/主夫など厚生年金・共済年金がない配偶者も、そのパートナーが厚生年金・共済年金加入者の場合、婚姻継続期間中は共同で保険料を納めたこととし、その一部を分割し受け取る権利を有する事になる。※尚、分割方法には合意分割と三号分割というものがある。

この制度のおかげで、主婦や主夫のいる世帯の離婚が増えたとも言われている。

 

女性の社会進出
女性の社会進出が進み、自立できる女性が増えてきたことにより、(離婚後の困窮を懸念するような)我慢をしなくても良い環境が広がりつつある。

 

長寿命化
男女とも寿命が伸び続けている状況下、子供が巣立ってからもまだまだ健康寿命が続くような状況になってきたこともあり、「老後」ではなく「第二の人生」を見つめ直す機会となりつつある。

 

実際に『羽鳥慎一 モーニングショー』でも、熟年離婚が増加している点や、熟年離婚後のメンタルヘルスについて、女性は離婚から1年でメンタルが改善するのに対し、男性は3年後まで悪化したままというデータ、更には離婚後に専業主婦であった女性が資格を取得して働き始めたが、(身体的に)厳しすぎて辞めてしまい、生活に困窮するケースなどが紹介されていた。

 


下流老人とは?

 

下流老人とは生活保護並、又はそれ以下で生活する、又はその恐れのある高齢者を指す。2015年ベストセラーとなった『下流老人(朝日新書)』の著者、藤田孝典氏による造語である。

 

生活保護は日本の憲法(25条)の「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」という理念により規定された最低生活費が基準となっており、住んでいる地域や世帯人数などにより支給額が異なる。
因みに、働くことが困難で全額支給を受ける場合、単身者世帯で月額10〜13万円、夫婦二人世帯では月額15〜18万円支給されるようである。
※詳細は生活保護関連サイトにて確認願う。

 

つまり下流老人とは、(地域によって差はあるとされるが)賃貸の住居費込みの単身で10〜13万円/月、夫婦二人世帯で15〜18万円/月 程度やそれ以下で生活している高齢者ということになる。

 

 

③アーリーリタイア後の熟年離婚の影響

 

異端児リーマンのように、プチ アーリーリタイアを選択肢の1つとして早退後の必要生活費を見積もり、ライフプランシートを運用しながら資産形成を進めているようなケースでは、リタイア後に想定していなかった熟年離婚となった場合は、様々な影響に見舞われる事になろう。

 

リタイア後の想定外離婚のインパクト:
生活費の上昇
離婚することで、夫婦は別々に生活していくことになる。基本的に必要最低限の生活費は、人数が増えることで、単純に人数比で倍増するのではなく、ルート(√)倍になると言われている。具体的に表すと、夫婦二人での生活費というのは単身の2倍というわけではなく、単身のルート2倍(≒約1.4倍)になるということだ。つまり、リタイア後の生活費も離婚により別々の財布での暮らしとなることで、大幅なコストアップになってしまうことになる。

 

引っ越し
離婚により夫婦は別々に暮らしていくことになるのであるが、どちらか一方が出ていく形、またはお互い一人で住むには広すぎるという理由や財産分与の都合により、持ち家を売却し二人とも引っ越しをするというようなケースもあろう。
更に老後資金にあまり余裕がないようなケースでは、リタイア後の無収入且つ高齢での賃貸契約自体に支障が出るようなケースもあるかもしれない。

 

孤独
私自身がそうであるように、バケットリストに記載しているリタイア後のやりたいことの中には、伴侶と一緒に実行したいものも数多く存在している。
世界旅行やバイクツーリング、お遍路などでは、寂しがり屋で人見知り?の私にとって、道中の伴侶との会話や、美味しい!綺麗!など感動の共有は必須要件である。

 


今回この熟年離婚下流老人という話題に触れ、自身のプチ アーリーリタイア企画の見直しだけでなく、仲良く暮らしていくためのお互いの歩み寄りや思いやりなどの重要性を改めて考えさせられる事になった。

(現時点、プチ アーリーリタイア企画に離婚の想定を加味する見込みはない。)


子供が小さいようなケースは別であるが、夫婦二人だけの問題であるような熟年離婚については、ある意味自分自身がより幸せになるための一つの選択肢となりうるのかもしれない。

本当か嘘かは別にして、芸能人の離婚後のコメント発表などでよく目にする「円満離婚」というような形がそれにあたり、価値観が違う点からお互いを尊重して別々の道を歩んでいこう!というようなケースは前向きな出発であるとも感じる。

 

ただ離婚の多くは、裏切られたり、憎しみあったり、一方的に恨まれていたりと、一度は本気で好き同士であった二人が、どこからか道を違え、大きな負の感情のぶつかり合いの成れの果てであるという事実も否めない。

 

私自身も、ある日突然三下り半を突きつけられぬように、伴侶との本音の話し合いは今後も続けていきたい。

 

 

 

 

 


▼Success is doing, not wishing.▼
本日もありがとうございました。