異端児リーマンの記録

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海外駐在4ヶ国目、駐在員継続によるプチ アーリーリタイアを夢見る40代中年奮闘記

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【早退関連50】30年上がっていない日本の平均給与

お越しいただきありがとうございます。


本日は、日本の平均賃金の推移についてのお話です。

最近いくつものインターネットでの記事で、
❐日本人会社員の平均給与は30年間上がっていない
❐2015年以降、韓国にも抜かれている日本の低賃金
❐日本人の給料が上がらない理由

などの記事に頻繁に出くわしております。

 

どの記事も、戦後上がり続けていた日本人の平均給与がバブル崩壊後に止まってしまい、その後増減はあるが、結果としてバブル崩壊から30年程経過している今なお、当時と同じ水準の平均給与に留まっていて、周りの国から置いていかれてしまっているという内容となっております。

ここでは、実際の公表データを見ながらこの日本人の平均給与について考察をしていきたいと思います。

 


①日本人会社員の平均給与データについて


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まず、公開されているデータを見ていきたい。
国税庁が年度別の民間給与実態統計調査というものを発表しており、そのデータをいくつかピックアップしてみると、以下のようになっている。

 

a)平均給与データ
1950年  12万円
1960年  30万円
1970年  94万円
1980年 295万円
1990年 425万円
1995年 457万円
1997年 467万円 ※最高値
2000年 461万円
2005年 437万円
2010年 412万円
2015年 420万円
2020年 433万円
※千円単位で四捨五入

 

確かに戦後から1990年にかけて平均給与は上昇カーブを続けているが、その後1997年の467万円がピークであり、以降一進一退?というべき停滞が続いていると言える。
例えば、最新データである2020年の433万円は、1990年の425万円とほぼ変わらない平均給与となっている。

 

b)平均給与が30年程上っていない理由
個人的な理解として、日本の民間企業会社員の平均給与が上がらない理由は、
・企業が平均給与を増加させるに足りうる利益、価値を出せていない (が、落ちるほどではないところで維持している)
・インフレーションが本格進行していない
という2点だけで、シンプルなものだと考えていた。

 

一方で、実際ネット記事に掲載されている専門家の意見というものをいくつか挙げてみると、もっと深く掘り下げている意見も目立つことに気づく。


例えば、
GDPの大半を占める中小企業が大きく利益を上げる仕組みになっていない
・日本の大多数の企業では、日本式雇用(リストラしにくい体制)や賃金(年功序列で一度上げると下げにくい風土)であり、給与上昇には慎重
・そもそも日本人サラリーマンの生産性の低さ
日本銀行の金融面での無策
・政府の無策(雇用安定のみに偏重)

挙げだすときりがないが、日本式という形が出来上がっていった結果、現在の状況になっているということなのかもしれない。

 

 

②変わらない平均給与との向き合い方

 

ではプチ アーリーリタイアを目指している異端児リーマンの、変わらない平均給与との向き合い方についてであるが、基本的には物価があまり変動していないなかで、平均給与が上がっていないということは、その時点での貨幣価値で将来を見通しやすかったということでもあると思っている。

※あくまで個人的な感触として。

※※30年前と同じ年収ということは社会保険料の値上げなどにより、現在の手取り額は低い。

 

一方で、30年平均給与が上がらないということは、個人の年収が上がらないという話ではない。属する企業によって勿論差はあるが、日本式が今なお根強く残っている日系企業では、多少なりとも年収は上がっていくケースが多い。


良し悪しでいうと確実に悪しと思うが、30歳と50歳でほぼ同じ仕事をしているにも関わらず、50歳のほうが高い賃金で働いているというのが日本の現状だ。

少し脱線したが、この平均給与が上がらず、インフレもあまり起こっていない「安定してしまった」日本の30年はある意味、先を見通しやすい時代であったと言えよう。つまり預貯金だけ保有しておけば安定した生活がリスクなく送れていたとも言える。

 

現在、途上国で生活している異端児リーマンは年〜10%のインフレ、それに伴う数%ナショナルスタッフ(現地スタッフ)の給与改定≒上昇を体感しているが、この場合は預貯金の価値を保つのが難しいケースが多い。

(現地の銀行定期預金等でも、カバーは可能であるが、タイミングによっては銀行金利がインフレ率を上回れない為、事実上目減りとなるケースも出てくる。)

 

一方、日本は莫大な借金を抱えており、更に将来このままでは成り立たない社会保障の問題もある。選挙の有権者で多数派となる現在の高齢者向けに、今の政治屋が年金の直接的な減額を英断するということもあまり期待できない。
その中で、なんとか国として生き残っていくには、景気刺激を前提としたインフレを積極的に進めていくことが最も現実的であると私は考えている。

 

この点は賛否あると思うが、現金の価値を下げることで、年金や社会保障を少しずつ改悪(金額自体の減額ではない改悪)していくことにつながり、財政再建が少し進むということにもつながっていくのではないか?と思っている。

※新規発行債権の金利も上がるので、そのダメージも大きいが。

更には、高齢者が保有している莫大なタンス預金が、金利上昇に伴い銀行に再び集まることにもつながっていくのかもしれない。この点は、銀行による運用規模の増加効果だけでなく、相続税贈与税の回収率も上がっていく効果にも繋がっていくであろう。

 

勿論、物価上昇は年金へも反映される仕組みではあるが、それ以上の実質的な支出になることで、事実上の改悪を進めていけることになるのである。借金の価値についても同じ要領で価値を下げられることになる。(新規で発行される国債金利上昇等もあるため、そのまま価値下落分の効果が出るわけではないが。)

 

本当にインフレに進んでいくのか?どれ位のインフレになるのか?などということは、誰にもわからない問題なのだと思うが、少なくとも資産を形成していく上で、そのリスク自体は想定しておくべきであると考えている。


私も、資産については、
・資産価値が落ちない不動産の貸出
株式投資投資信託
養老保険(リターン期待ではなく死亡リスクに備え)
・現金
に分散させるべきと考えている一人である。
※資産価値が落ちない不動産での賃料や株式投資などはインフレで経済活動が活発化すれば、連動=価格上昇するケースが多く、リスクヘッジとなるという考え方。

 

何が正解なのかわからないが、資産形成はすべて自己責任である。できる限り様々な情報に触れ、自分で納得するリスクとの向き合い方をこれからも考えていければと思っている。

 

 

 

 


▼Success is doing, not wishing.▼
本日もありがとうございました。